「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産」は長崎県ならびに熊本県の関係6市2町に分布する12資産からなり、本町の「野崎島の集落跡」は、外海地域の潜伏キリシタンが信仰を継承するために神道の氏子を装うことで既存の社会との共存を果たした資産として位置づけされています。
世界文化遺産「野崎島の集落跡」を構成する重要な資産
1.沖ノ神嶋神社
704年に小値賀島近浦とこの地に分けて祀られたと伝わる古社で、五島列島一円に暮らした氏子から崇敬を集めた。
外海地域の潜伏キリシタンは神社の氏子を装うことで野崎島に入植し、密かにキリシタン信仰を継承した。
2.沖ノ神嶋神社の神官屋敷と遥拝所
表向きは神道の氏子となった潜伏キリシタンが悪天候で直接参拝できない時に遥拝所を通して神社を拝んだ場所。
3.沖ノ神嶋神社神官屋敷の遥拝所の内部
祭壇は禁教期である1823年に造られたことがわかっている。潜伏キリシタンが拝んだ当時の姿をそのまま留めている。
4.野首集落 潜伏キリシタンの指導者屋敷跡
初代野首教会堂
禁教期にあった指導者屋敷ではキリシタン信仰にもとづく様々な行事が行われた。
解禁後1882年に野首ではじめての教会堂が建立された。
5.瀬戸脇教会跡(舟森集落跡)
解禁後の1881年に教会堂が建立された場所で、舟森の潜伏キリシタンの伝統の終焉を示す場所である。
6.舟森集落 潜伏キリシタン指導者屋敷跡
禁教期にあった指導者屋敷ではキリシタン信仰にもとづく様々な行事が行われた。
7.舟森集落 潜伏キリシタン墓地
舟森集落の潜伏キリシタンの墓地。過去の発掘調査では人骨が発見され、顔の向きなどの埋葬方法の特徴から潜伏キリシタン墓と特定された。
その他の関連資産
8.舟森集落 カトリック共同墓地
解禁後にカトリックへと復帰した信徒が眠る墓地。 かつて潜伏キリシタンだった人々も多く眠る。
9.舟森集落 カトリック共同墓地 指導者の墓石
潜伏キリシタン時代は水方として、解禁後はカトリックへの復活を助ける伝道師として活動した人の墓石。
10.野首集落 カトリック共同墓地
解禁後にカトリックへと復帰した信徒が眠る墓地。
かつて潜伏キリシタンだった人々も多く眠る。
11.野首集落 カトリック共同墓地 初期移住者の墓石
19世紀前半に野首へ入植した初期移住者の墓石
12.旧野首教会
1908年にカトリック教会堂建築で著名な鉄川与助による設計、施工により完成した煉瓦積みの教会堂である。
野首集落においては3代目の教会堂である。内部に祀られた脇祭壇は1890年に建てられた2代目教会のものであることがわかっている。